立ち位置と包含関係を押さえよう【勉強のコツ】

医学生が勉強をしていて一番感じることは「覚える量の多さ」です。

似たような単語でも意味合いが全然異なったり、はたまた違う単語なのに同じ疾患を指していたり…。
その膨大な量に絶望したことはありませんか?

めんたむ
僕は低学年の頃テスト前になって覚える量が多すぎて幾度となく絶望した記憶があります。

以前の記事では医学の勉強で大事な心構えについてお話ししました。

今回は医学だけに限らず、勉強するときに押さえておきたい2つのポイントを紹介していきます!

立ち位置と包含関係に注目しよう

勉強をする上で大切なのは「立ち位置」と「包含関係」です。

この2つを勉強するときに意識しておくだけで勉強のしやすさ、覚えやすさが変わってきます。

包含関係については以前の記事で触れていますが、ここではさらに深く踏み込んで説明していきます!

立ち位置は「現在地」

まず立ち位置についてですが、これは簡単にいうと「現在地」です。

勉強をしていて自分が今何をやっているのか、わからなくなった経験はありませんか?

こうなるとせっかく勉強していても覚えたとは言い難い状態になります。どの疾患で何が起こるのかをごっちゃにしやすくなってしまいます。

暗記が主体となる医学はどうしても覚えることが多いので、上記のようなことが多々起こります。

自分は腎臓という分野の慢性腎臓病について今から学ぶぞ!

勉強する前には上のように自分が学ぶことを意識してから臨んでみましょう。もちろん勉強をしていて集中が切れたときにもこの「現在地」を意識することは有効です。

medu4の究極マップはまさに医学という大海原の中で、地図を見て現在地を意識することで国試直前期に勉強の効率を上げる効果があると僕は考えています。

※「究極マップ」とは医師国試対策予備校のmedu4が国試直前期に出している総まとめのような講座のことです。

包含関係は「関係性」

次に重要なのが包含関係です。イメージはベン図です。数学で出てきた知識ですが、数学が苦手な方でも大丈夫です。

ある集合A、Bがあり、AがBに含まれているとき、「A⊂B」と書くことができます。ある要素aが集合Bに含まれているときは「a∈B」と表せます。

なぜこのような話を持ってきたかというと、医学を勉強していると包含関係を意識せざるを得ない場面が多々出てくるからです。

めんたむ
もちろん医学に限らず他の学問でもこうした場面に直面します(FP勉強時に出会いました)。

具体例としては内分泌内科で学ぶCushing症候群Cushing病があります。 

これは一見すると同じものではないかと思ってしまうのですが、Cushing症候群が1番大きなグループで、その中にCushing病や異所性ACTH分泌腫瘍、副腎腺腫、副腎癌といった疾患が含まれています。

他にも皮膚科で「蕁麻疹では膨疹を生じる」ということを学びますが、蕁麻疹は疾患名ですが膨疹は皮疹の1つです。

皮膚科では特に似たような漢字が多々出現する(ガチです)ので、このような関係性を念頭において覚えていく必要があります。

包含関係に着目することで今学んでいる疾患はどの臓器の病気なのか、関係性を押さえることで知識を効率よく身につけることができます。

コラム〜他の関係性〜

関係性で他にも重要なのが相関関係と因果関係です。

事象Aと事象Bになんらかの関連性があるとき、AとBには相関関係があります。
一方、事象Aを原因として結果である事象Bが起こるとき、AとBには因果関係があると言えます。

因果関係の方が集合として小さいもの(少ないもの)だと捉えておけば大丈夫です。

巷では相関関係と因果関係を混同している記事やダイエット食品がよく散見されますが、因果関係の証明には原因Aがなければ結果Bが起こらないという証拠が必要になります。

そのために論文では対照群を用意してプラセボを投与するわけです。

2つを意識して勉強の効率を高めよう

もちろん、既にこの2つを意識して勉強している方にとっては「当たり前」で終わってしまう話ですが、医学のような暗記することが多い科目を勉強するときには、これらを意識するだけでかなり変わってきます。

言うなれば羅針盤を持って勉強するようなものでしょうか。こうした視点で勉強してみるのも手だと思います。

ぜひ今勉強していて「思うように覚えられない…」「何をやっているのかわからなくなる」という方はぜひ参考にして欲しいです!

参考文献

・中室牧子『原因と結果の経済学』ダイヤモンド社、2017年

・細谷功『アナロジー思考』東洋経済新報社、2011年

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