最近、SNSで株式投資をしている医学生・医師が増えてきています。
僕のフォロワーや知り合いにも、株式投資や投資信託を発信している医学生がいます。
と思われがちですが、医師という職業はずっと儲かりつづけるとは限りません。
今回は、なぜ株式投資をしている医学生・医師が多いのか、税金の観点から説明していきます!
節税することができる
ずばり、医学生・医師で株式投資をしている人が多いのは「節税することができる」からです。
もちろん、学生時代に株式投資でぼろ儲けする人はあまりいないのでこれは医師になってからの話となりますが、このことを今のうちから知っておくことはとても大切です。
なぜなら、医師になってから他の勉強をする時間が取りにくいからです。
時間がないと「別に今の稼ぎ方でも十分だからいいや」となってしまいます。
普通に働いて稼ぐより税金は少ない方が絶対良いです。
医師の所得は給与所得
まずは医師がもらえるお金について見ていきますが、そのために所得を知ることが必要です。
所得というのは、収入から必要経費や法定控除額を引いたもので、全部で10種類あります。
- 利子所得
- 配当所得
- 不動産所得
- 事業所得
- 給与所得
- 退職所得
- 山林所得
- 譲渡所得
- 一時所得
- 雑所得
それぞれの所得がどういうものかはここでは省きます。
ということをここで知っていただければ大丈夫です。これを踏まえた上で話をしていきます。
医師(ここでは勤務医を想定)はサラリーマンと同じだという話を以前しました。
医師がもらえる給料というのは、これらの所得でいうと「給与所得」に相当します。
この給与所得の弱点というのは、自分が働かない限り絶対もらうことができないという点です(有給除く)。
加えて、所得税は「累進課税制度」を採用しているため、収入が1000万円超えとなったとしても、その約1割を所得税で徴収されます(さらに言えば社会保険料も別に取られます)。
合計で3割ほどを取られてしまうので、およそ残る手取りとして700万円ほどという計算になります。
(2000万円なんて稼ごうものなら約700万円も税金と社会保険料で取られてしまいます)
株式投資の所得は配当所得と譲渡所得
ということで、普通に1000万円を働いて稼ごうとするとかなりのお金を徴収されてしまいます。
では、株式投資はどうなのでしょうか?
株式投資の所得はさきほどの10種類の所得で言うと「配当所得」と「譲渡所得」に相当します。
ここで、株式会社の仕組みについて軽く見ていきます。
株式というのは、簡単にいうと株式会社が商品開発の資金を集めるためのものです。
これで資金を集めて儲かった場合、株式会社から出資してくれた(=株式を買ってくれた)人に対して
とその儲けを還元します。
これが「配当金」であり、この所得が「配当所得」です。
また、株式会社が儲かると、「その株式を買いたい!」という声が高まり、その株式が人気になって需要と供給の関係などから株価が上昇します(その株が上場している場合)。
このときに株式を売ると、買ったときとの差額分儲かることになります。
これが「譲渡所得」です。
これらの所得はざっくりいうと、どちらも税金はかかりますがその割合は一律約20%です。
給与所得と違ってこれらは社会保険料で取られるということがないので、その分手元にお金が残りやすいのです。
株式投資にはさらに抜け道がある
さらに、株式投資にはNISAという制度があります。国税庁のホームページには以下のように説明されています。
NISAは、20歳以上(口座開設の年の1月1日現在)の居住者等を対象として、平成26年から令和5年までの間に、非課税口座で取得した上場株式等(投資額は年間120万円が上限)について、その配当等やその上場株式等を売却したことにより生じた譲渡益が、非課税管理勘定が設けられた日の属する年の1月1日から最長5年間非課税とされる制度です(年分ごとにつみたてNISAとの選択適用)。
国税庁ホームページ:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1535.htm
つまり、毎年決まった投資額分の株式に対する配当金や売却益については税金がかからないということです。
これはかなり大きい制度だと思います。
ただでさえ稼ごうとするものなら税金がかかるこの国において、非課税ほど美味しいものはありません。
これも株式投資をする医学生・医師がいる理由です。
持ち分を多くできる
この株式投資というのもある意味で「副業」だと僕は考えています。
もちろん株式投資にはリスクもあるので、必ず儲かるとは限りません。
しかしこのまま働き続けて自分の時間を取れないまま一生を終えるというのもかなりハイリスクな選択肢だと思いませんか?
自分が死ぬまで元気な保証はありません。
今できることとして、他の稼ぎ方、いわゆる「抜け道」がないか模索することはこれからの時代を生きる僕らにとって必要不可欠なものだと考えています。
そのひとつの手段として、公務員であっても持ち分を多くできる株式投資というのはうってつけの方法なのです。