医師になっても幸せになるのが難しい話

医学部というのは、卒業すると大半の人が医師になりますが、医師になっても簡単には幸せにはなれないのを知っていますか?

そのことについて話をしていきたいと思います。

ここでの幸せというのは、「自分の時間を一般的な社会人同様に持つことができ、家庭との時間をとることができる」という意味合いで話を進めます。

医師になったら幸せになれる?

医学部は就職予備校と言う話を前回の記事でしました。

ここでは、たくさんのことを学びます。

医学はもちろんですが、大学生だからこそできることや、部活に入っている人は部活内容やまわりの人間関係など本当にいろいろあります。

楽しいこともありますが、しんどい、辛いこともたくさんあるはずです。

その中でも医学というのは本当に大変です。

最初の基礎医学で「あれも覚えろ、これも覚えろ」という暗記地獄に立ち向かったり、臨床医学でも理不尽な対応をされたり国試にも出ない細かいことを覚えないといけなかったりします。

「これも卒業のため、卒業すれば解放される」という思いで頑張りますが、卒業して国試に受かり、晴れて医師になっても楽になれるわけではないのです。

1人前になるまでに時間がかかる

まず、医師として1人前になるのに時間がかなりかかります。

初期研修医というのは研修の2年間で基本的にほぼ全ての科を回ります。

志望が決まっていない人もいるかもしれませんが、「内科は良いや」とか「外科は向いてない」という「いきたくない科」というのは何かしらある人が多いのではないでしょうか。

そういう科を回らないといけないのは、個人的にはかなりしんどいと感じています。

また、学生時代と違い医師になってしまった以上責任が伴うので、その分ストレスもかかりやすくなってきます

また、専門医を目指す場合、初期研修医を終えてからさらに約5年間後期研修をしなければなりません。

結局1人前になる頃には早くても30歳頃ということになります。

22歳で卒業して就職した一般的な社会人8年目と比べるとかなり遅いスタートです。さらに、自分の時間は全然取れないことが多いです。

手取りはそんなに高くない

これは全員というわけではないですが、基本的に医師の手取りというのはそんなに高くありません。

初期研修医の都会での給料は医師とは思えないものです(月収30万もないところが多い)。

なんなら社会人3年目の給料の方が高いんじゃねとさえ思います。

これまで6年間テストやOSCE、卒試、国試を頑張ってきてこんなもんか、と正直僕は感じました。

頑張りは給料には完全に直結しないのです。

さらに、収入と手取りは違います。

収入があっても、社会保険料なり住民税なりで取られて結局残る手取りはもっと低くなります。仮に収入が20万なら手取りはおおよそ16万くらいです。

もちろん、これは初期研修医の収入なので、専門医になれば話は変わってくるのですが、収入が増えれば増えるほど税金は多くなりますし(累進課税)、先述しましたがそれまでにかかる時間というのも馬鹿にできません。

特に、家庭を持ちたいと考えている女医はこの20代を決して無駄にすることはできません。

しかし、自分の時間が持てない以上、婚活をする時間も気力も持ちにくくなってしまいます。

まとめ

ということで、医師になったらすぐに幸せになるのは正直かなり難しいです。

もちろん、「医師としてバリバリに働きたいし別に自分の時間なんて持たなくてもいい」という方に対してどうこう言うつもりはありません。

ただ、僕のように「なんとなくで来てしまった」人にとってはそういった自己犠牲の精神を持つことは難しいですし、ぜひそういう人もいるということを知ってほしいです。

自分の時間を持つことができ、休むことができるからこそ仕事ができると僕は考えています。

じゃあ、幸せになるのが難しくても少しでも幸福にベクトルを向けるためにはどうしたらいいのかについては、僕なりの考えを改めて記事にするつもりです。

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